レンギョウ2018年04月16日 08時47分

レンギョウ
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした


中学生の頃に習ったであろう、智恵子抄に収められている、レモン哀歌のこの一節が不思議と記憶の中に印象深く残っています。
レンギョウの黄色い花を見た瞬間、頭の中にふとこの一節が浮かんできました。高村光太郎が生前こよなく愛した花だったということです。そして、亡くなったときに、この花が咲き誇っていたので、命日のことを「連翹忌」というそうです。